２日目
７時過ぎに起きた。誰も起きてない。コーヒーを作って飲んだ。ヒマなので、もの凄い数の空き缶を捨てにタケのＣＤ１２５に乗ってコンビニまで行ってみた。ただ捨てるだけじゃ気が引けるので何となくカップラーメンを買って食ったが、ぜんぜん食欲が無いので無理やり食った。つらかった。
海に座ってボーッとしたりしながら暇をつぶしてたら、ようやく２人が起きてきてメシを食い、後かたづけして９時過ぎに出発。曇り空だがちょうど良い気温で気持ちのイイ朝だ。海沿いにレッツゴー！
先導はタケ
なんでメキシコ？
古くて使えないキド君の地図にのみ「日本メキシコ交通発祥の碑」という表示があり、キド君は気になってしょうがないので是非行きたいのだという。御宿の手前だ。途中雨が降り出したりしたが、空いた道をズンドコハイペースで走り、メキシコ塔に到着。
その昔
メキシコの船がここ御宿沖で難破し、多くの人が海に放り出されたが、村民がこれを救助。海女さんがハダカで暖めたり等、それは献身的な介抱で多くの人の命を救ったという。十数年前にはメキシコの大統領も訪れ、御宿町民に「兄弟よ～っ！」って叫んだそうだ。ちっとも知らんかった。
そんな感動的な出来事を記念した塔がある小高い丘は、正直期待度ゼロだった。しかしこれがなかなかいい場所だ。遠くに御宿の海岸を眺めつつ一同タバコを一服。丘を駆け下りた御宿海岸には「月の砂漠」の銅像があるが、ぜんぜんここにはそぐわない。まぁ女の子がちょっとかわいいから許してやるか。
メキシコ塔の丘で一服 メキシコ塔けっこうデカイ 月の砂漠のラクダなのだ
ついに雨
鴨川手前で雨が降り出し、やむ気配もなくだんだん強くなる。なのになんとタケはカッパを忘れちゃったんだって。何という大馬鹿もんだ。オレのジャケットは一応防水なのでカッパの上を貸してやったが、彼のズボンは濡れ放題。若いんだ、頑張れ。
雨がツライので鴨川から西にショートカットするか、それともこのまま海沿いに頑張るか、キド君に尋ねると「もういいよ～」だそうで、鋸南（きょなん）町まで一直線に西に向かう。道は一車線だが交通量が少なく、４０分程度で房総西海岸に到着した。
日本一の大仏を観る
オレはこの旅は「走れればいいよ」ってなもんで特別どこか観たいところはなかったのだが、鋸山（のこぎりやま）日本寺の大仏だけは押さえておきたかった。ちょっと前にテレビでやってたんだけど、実はここの大仏は石像ながら日本一の大きさなんだって。オレ、奈良の大仏が一番だと思ってたよ。鋸山自体、ふもとは何度も通ったことがあるけど登ったことがないもんね。こんな時こそ行ってみたいじゃん。
「え、みなさま、あ本日は、あようこそ、あ鋸山ロープウェイを、あご利用いただきまして」なんちゅうナマガイド付きのロープウェイに乗って頂上に近づくにつれガスが立ちこめ、着いた頂上からは何も見えない。日本一の大仏を観るためには上り下りのきつい階段を数十分歩かねばならないようで「マジかよ！」一同ご立腹だ。ここまで横着してブーツカバーを履かなかったので階段を歩くオレの靴は一歩ごとにぐっちょぐっちょ音を立てる。カッパが蒸れてキツかったが幸い雨がやんだので脱いで歩く。途中五百羅漢像などあるのだが、どれも小さな石像でちっとも面白くない。繊細さに欠けるんだよなぁ。
苦労して辿り着いた大仏だが、ちっとも日本一の大きさとは思えない。鎌倉よりはデカイだろうけど奈良の方がデカイだろ？と思うのだが、もらったパンフレットの図によると、それらよりもはるかにデカイらしい。そうは見えないんだがなぁ。奈良の大仏は大仏殿込みのスケール感なんだろうか。
「え、本日は～」のガイドさん 頂上霧だらけ 日本一の大仏。そんなにデカイか？
靴下を絞りつつ大仏前で休憩し、「は～、来た道を戻るのかぁ・・」とうんざりしてると、キド君がイヤなことを発見。大仏の近くまで車で来れるらしい。延々歩いた階段は何だったのよ。ロープウェイ乗り場まで帰る気持ちがいっそう萎えた。
コントかよお前！（爆笑）
鋸山を下りてすぐに金谷港に着いた。出発までしばらく時間があるらしいので土産物を見る。腹が減ったのでオレがソバを食ってると、タケもつられてソバを注文。七味を振りかけた瞬間ふたも落ち、ソバは七味の山でまっかっかだ。唖然とするタケと、大爆笑が止まらないオレ。こんなことテレビのコントでしか無いことだと思ってたのに、実際にあるんだねぇ（笑）
「ちっくしょアタマきたっ！食ってやる！」というタケに「ちょっと待ってくれ、写真撮るから」と頼み、撮った。その後タケはホントに全部食いやがった！すげぇ！
一人の旅でこんな事が起きても笑えないけど、人ごとだからこそ笑えるよ（笑）
タケと一緒に来て良かったぁ！
真っ赤なソバと、それを食うタケ。う～ん、バカだなぁ・・
フェリーに乗り込み、勢いで缶ビールなんか飲んじゃったりしつつ、あっという間に久里浜に上陸。一般道で帰るという彼らと横浜・横須賀道路で帰りたいオレ、上陸後すぐにお別れ。あっという間にウチに着いた。たった２日で短かったけど、やっぱバイクはイイよなぁ、楽しかったよ～。また行きてえ。キド君よろしく。
本日の走行距離：１９０㎞
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