なんとなく伊豆

(04.5.18 /SUZUKI・SKYWAVE250)


40である

 40になったから急に体力が落ちるわけじゃないが、大がかりな旅ではなく一泊程度の気軽な旅の仕方を模索してみようと思ったわけだ。で、なんとなく伊豆。2連休を取ったが2日目はどうやら大雨らしいので、さっさと予定を変更して日帰りにした。

 気合いを入れて5時起床、5時半出発。とりあえず小田原に向かう。慌てる事もないので知らない道を走る事にした。地図など見ずに「太陽のあるあっちが東だな」くらいの感じで南西を目指すと、相模川手前で1号線にぶつかった。

 高校2年の夏休み、原付で箱根に行ったのがオレの最初のツーリングだったんだが、今もその時の印象と変わらず東海道を感じさせる大磯あたりの雰囲気が好きだ。

こっちが東 東海道の松並木

なんかくさいよ

 早朝なので道は空いていて、2時間弱で小田原に到着。通り過ぎた事は何度もある街だが、城すら見た事がないので行ってみた。

 バイクを止め、天守閣を見上げる広場に着くとケモノがギャーギャー鳴いている。沢山のオリがあり動物を飼っているようで、なんかくさいよ。とっても狭い「象の広場」には何も居ない。死んじゃったんだろか。

 肝心な城の方は早すぎて入れなかった。もっとも昭和30年代の再建だそうで、入れたとしてもその気にはならなかったろうな。
カッコはイイ

伊豆に突入

 小田原を出て伊豆半島に突入。ドーンと海が見えてきて気持がいい。通勤ラッシュは小田原方面だろうと思っていたが、伊豆方面の道も混んでいて少しガッカリだ。熱海あたりまで国道と並行して有料道路もあるが、そんなものは使わぬ。ずっと135号線で海沿いを行くつもりが思いがけず山のグニャグニャ道を通ったりして変化がありかえって楽しかった。

 普段は朝メシなど食わないのだが旅に出るとハラが減るのは何故だろう。湯河原のマックでコーヒーとフィレオフィッシュを食べながら、別に迷ってるわけじゃないが地図を見る。オレは色んな所でマックのコーヒーを飲みながら地図を見たなぁ。なんてこたーないんだが地図を見るって事自体が楽しいんだよなぁ。

さびしい・・・

 空腹を満たし走り出すが、この不況のせいか廃墟になった店を沢山見かける。草ボーボーのそんな店を見ると切なくて、涙が風に飛ばされたさ(ウソさ)そんな寂しさも吹っ飛ばす、熱海市街地の華やかさ。でっかいホテルが山の斜面にへばりつき、所狭しと建っている。新しく建設中のホテルもあった。しかし一方で国道沿いなのに廃墟になってるホテルもあり「厳しいんだろうなぁ・・・」と、また切なくなって、また涙が風に飛ばされたさ(またウソさ)
廃墟


ハワイの白い砂

 ズンドコ走る。伊東という大きな温泉地や、小さな温泉地を通り過ぎる。熱海を過ぎて道は空いていて快調だが基本的に単調。左手に大島が見え「あんなにでっかく見えるんだなぁ」とちょっとビックリしたくらいか。

 しかしながらヘンな施設やら看板やらが沢山あっておかしい。「バナナワニ園」を筆頭に「バイオパーク」とか「ぐらんぱる公園」・「テディベア博物館」・「オルゴール博物館」・「アロエセンター」・「ねこの博物館」等々、何だか分からないものや、分かりすぎるほど分かるものも含め、とにかくみんなB級のニオイがするよなぁ。

 そんな奇妙な感じを愉しみながら走ってると白浜に到着。「伊豆半島というのはハワイの方から移動してきて本州にぶつかったのだ。だから砂が白く、また今も地震が多いのだ。」という話を聞いた事があるが真偽は知らない。でもこの砂の白さは確かにハワイを連想するね。曇ってきたのが惜しいがそれでも十分美しい。

 
熱海のホテル群 白浜

アメリカ万歳

 ウチで「ペリー」と言えば「開国シテクラサイヨ〜」と、たどたどしい日本語で嘆く人であり、家族みんなが彼のファンだ。下田に彼の碑があるそうなので見に行く事にする。日米の国旗がはためくペリー通りを走り上陸記念碑に到着。

 不勉強なもんでオレ、下田にペリーが来てたなんて知らなかったよ。開港するってんで下田がどんなもんか探りに来たそうだな。その記念碑には「ぺリーは日米友好の礎である!」とかいうペリー賞賛の文章が彫られているんだが、オレはアメリカなんぞ大キライなので、なんかこうペンキでもぶっかけてやりたい気持ちになった。星条旗自体不愉快なので下田はキライだ。すまんペリー。さいなら。



ペリーの声

「開国シテクラサイヨ〜」
ペリー通り

先っちょに到着

 標識通りに走り、迷うことなく伊豆半島の先っちょ石廊崎に到着。時間に余裕もあったしバイクで走るばかりではつまらんので岬巡りの観光船に乗る事にした。約30分で1120円なり。軽石の表面を拡大したような穴だらけの岩でできた岬で、伊豆というイメージとはちょっと違う感じが面白かったし、ものすごく海が荒れていてめちゃくちゃ揺れたのでスリルも感じた。看板に「野生の猿が居る島にも寄るよ」ってな事が書かれていたと思うんだが、そんなトコには寄らなかったのが謎。まぁ、それでも満足はした。

 さて、石廊崎をあとにして走り出すが、その後も岩手のリアス式海岸を連想するような豪快な景色が続く。伊豆もなかなか面白れぇじゃねぇか。

 よっしゃ、半島も半分過ぎたね。オレ、今気が付いたけど、島が半分で半島なんだね。
 半島の半分ってクォーター島だね。どうでもいいか(笑)
 さて西伊豆にゴー!

船から見た石廊崎 絶景

 

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